令和6年度は、25市町と11大学の図書館で、本を借りた方に先着順で、原産地・製材・加工のすべてが静岡県内という、静岡うまれ、育ちの「割箸」又は身近な緑化活動に気軽に参加できる「花の種のしおり」を配布します。
配布図書館、配布開始日は、こちらのPDFでご確認ください。
ぜひ配布図書館で本を借り、静岡育ちの割箸を食卓でお使いいただき、「暮らし」と「森林」のつながり(PDF)を感じてください。
「図書館で割箸プロジェクト」で配布する割箸のふるさとである、割箸を作る「作業所せきれい」、割箸の原材料を加工する「株式会社フジイチ」、原材料の丸太が育つ水源の「森林」を、静岡理工科大学で建築を学ぶ浦上さん、小林さん、志水さんに訪ねていただきました(訪問年月:令和4年7月)。
静岡理工科大学 スペシャルルポ「割箸のふるさとを訪ねる」
木のぬくもりを感じながら、割箸を作る「作業所せきれい」
まずは、割箸を生産する就労継続支援B型事業所作業所せきれい(浜松市天竜区)を訪ねました。
加工場は元々地域のご夫婦が営んでおり、平成20年にせきれいが引き継ぎました。
「利用者にとって、木に触れ、製品を自分たちの手で作り出すことがやりがいにつながっている」と、施設長の大石さんはおっしゃいます。
県西部から仕入れた背板を割箸大の角材に切り出し、乾燥、成形、角をとった後封入されます。
手作業と機械作業を組み合わせる工程を経て、私たちのよく知る、優しく手になじむ割箸が生まれます。
丸太を余すことなく活用する「株式会社フジイチ」
次に、せきれいが仕入れる背板を生産する、株式会社フジイチ(浜松市天竜区)を訪問しました。
植林から建築用材などの製材までを一貫して行うフジイチには、丸太が積まれた土場と、用途に応じた製材をするための大規模な加工場がありました。
丸太から角材になるまでのさまざまな工程を、販売部の小峰さんに案内していただきました。
割箸の材料の背板は、大径木から柱や板をとった残りです。
「大径木の背板はチップにもできますが、割箸に加工することでより多くの人々の手に届き、森を考えるきっかけになります。実は割箸をつくることは、木を余すことなく使い、手にしてもらう有効活用でもあるんです。」
1本の木から、建物の柱と割箸が生まれていることを想像したこともありませんでした。
木が育ち、暮らしとつながる「森林」
最後は丸太のふるさと、森林です。
細い林道をガタガタと登っていくと、その先にあるのは広大な山々、木々の集まる森。
今まで足を踏み入れたことのない林業の営みを感じる森林でした。
掛川市森林組合の尾崎参事は
「木は森の中で使われる時を待っている。木を使い、新しく植える循環が理想的な未来の森をつくる。」
とおっしゃいます。
伐採・収穫するのに適した時期は樹齢50~70年の間ですが、山には樹齢80~100年の古い大径木も多くあります。
そんな大径木に実際に触れて、立木が丸太になり、加工され、背板が割箸になるまでをリアルに想像することができました。
また、一本の木が育つまでには年月はもとより、森林で働く人々の奮闘があることを感じました。
取材を振り返って
【志水】
山から生まれた木を伐採してから加工し、販売するまでの流れを知ることができました。
割箸の枠を超え、FSC森林認証など環境配慮の点にも思いを巡らせました。
買うものを選択する、親戚や友人など身近な人に伝えるなど、小さな行動を起こしたいです。
【小林】
身近な割り箸ひとつとっても多くの人が関り、知恵や技術が集まって出来上がっていることを実感しました。
自分が学ぶ建築についても共通する部分がたくさんあり、実際に五感を使って学ぶことができました。
【浦上】
建築のデザインの在り方のひとつに、その地域で採れた材料を使い、その地域の気候に適した構造や設計を考える、バナキュラーデザインというものがあります。
取材をしていて割箸にも共通する考え方だと感じ、他の木製品についても興味がわきました。
森林プロフェッショナルの一日
掛川市森林組合と森町森林組合の御協力を得て、林業の現場で働く人たちの一日を追った動画(5分20秒)を作成したので、是非御覧ください。
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